カルシウムのハロゲン化鉱物です。
蛍石は、火の中に投げ入れると蛍が飛んでいるように見えるのでこの名前がつけられたといわれています。(『金石学必携』より)事実、燐光を発するのですが、粉状になると燐光は見られません。
蛍石のもつさまざまな色味は、どのようにして出るのかは、まだわかっていません。花崗岩中、またはその近接するところでは緑色透明蛍石を産し、堆積岩中にあっては白色・灰色の不透明な蛍石を産するという考えがあります。これはつまり、高温性のものからは緑色のものを、低温性のものからは紫色を経て、白色・灰色などの不透明蛍石を産するのではないかということです。
蛍石の、へき開は鉱物学では4方向で、上図のような正八面体をしているものは、そのほとんどがへき開を利用して人為的に作られたものです。